B☆らぼ

知っている、から、理解できた、へ。理解できた、から、できる、へ。ビジネス知識からパフォーマンスへの橋渡し

Lancers.jp

従業員満足度アンケートについて考えてみる⑫

会社に対してうんざりする瞬間

 従業員が疲弊している会社は、その根源に、経営陣・体制への不信がある場合が少なくありません。私が見聞きした会社でも、所詮ローカルの労働集約産業の分際で、「グローバル企業になる」とか「世界最高のサービスを」などと意味不明なことを言っており(以下略)という企業は決して珍しくありませんでした。こんな会社で働くと、私、オーウラコーイチはげんなりしそうです。

身も蓋もない質問(でも有効だと思う) 

というわけで、仕事に満足しているかどうか、ということに加えて、会社に対して、

 

「好きですか?」

 

 と聞くのは十分にありだと思います。細かな質問内容としては、

 

「会社(経営者)の考え方が分かりますか?」

「経営理念や方針に共感できますか?」

「会社の経営計画(戦略)に共感できますか?」

「会社の将来は明るいと思いますか?」

 

 といったものをぶつけてみるのも良いでしょう。加えて、

 

「経営者のメッセージと会社の実態が大きく食い違っていると思うことはありますか?」

 

 といった質問を投げかけてみるのもおもしろそうです。この種の質問は、「はい、いいえ」に加えて、「存在自体知らない」などの回答を混ぜるのも面白そうです。

 

ヴィジョン経営は絵にかいた餅ではないか?

 世界的な潮流といいますか、コンサルタント業界の入れ知恵といいますか、そうした背景から、経営ヴィジョンだの経営者の夢だのがたくさん語られています。基本的には、会社が一つになって、仕事に取り組んでいこうと思えば、経営ヴィジョンや経営者の夢に共感が得られた方が良いことは明らかだと思います。

 

 ただ、そうしたヴィジョンが一般的すぎたり、美辞麗句を並びたてているだけで何の面白味もなかったり、現実と全く即していなかったり、単に意味不明だったり、という問題があります。ドヤ顔で理想を語る経営者の前で、従業員が「おお、寒い」と思っていることは決して少なくないと私は思っています。

  

 従業員満足を調べる時には、こうした経営者に対する評価、フィードバックを得ることも考えておきましょう。会社として前進するための反省のきっかけになるかもしれません。その結果を受け止められないくらいなら、そもそもアンケートなんてしないほうがいいでしょうし。