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知っている、から、理解できた、へ。理解できた、から、できる、へ。ビジネス知識からパフォーマンスへの橋渡し

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まあ、実務ってそういうものですよね

第1回 マッキンゼー×オックスフォード大学Ph.D.×経営者 3つの異なる視点で経営学の正体を読み解く|領域を超える経営学|ダイヤモンド・オンライン

 

 マッキンゼーコンサルタントをしていた大学の先生のお話。フレームワークそのまま使って資料書いていったら殴られるでしょ、というのは本当にその通りだと思います。

  実際に現在のマッキンゼーがどういう仕事をしているのかということについてはよく知りませんが、ビジネス書と同じことをしていたのでは評価されないのは当然のことです。

 

 かといって、独自理論があるのかと言えば、そういう話をしているわけではなく、状況によってコンサルタントとして取るべき行動が違う、という話がされています。つまり、色々なやり方が確立されているけれども、どれが効果を発揮するかは顧客によっても違うし、プロジェクトによっても異なるということですね。まあ、当たり前の話だと思います。

 

 個人的には、フレームワークを意識しながら資料を作るのは悪くないと思います。訓練のために、フレームワーク通りに資料を作るのは決して悪くはないですし、ビジネスマンとしてキャリアを始めたばかりの人は是非そうするべきとさえ思います。フレームワークは、一見良くできているように思えますし、実際に優れたツールなのですが、そっくりそのまま実際に使ってみようとしてもなかなかうまくいきません。

 

 フレームワーク自体がどうのこうのというよりも、「あるパターンがいつでもどこでも通用するかどうかは定かではない」ということに注目する方がいいでしょう。はっきり言って、自然科学の法則のようなものと勘違いしてはいけないわけです。あくまでも、それは、論文を書くときの先行研究のようなものです。先行研究がそっくりそのまま当てはまるなら、その新しい論文を書く意味なんてないわけです。そして、良い研究が、今目の前にあることを説明できるかどうか、という点では常に不備があります。むしろ、積極的に不備を探し出すのが学者の役割となるでしょう。

 

 コンサルタントだって同じです。そっくりそのまんま過去のパターンが適応できるならコンサルタントも経営企画も要らないわけです。参考にするべき、というのと、同じように適用できる、というのは全然違うことです。そういう考え方を背景にした上で、その場その場でどれだけ相手に有益な情報を提供できるかということや、議論に混乱があれば整理できるかということが重要です。だって、単純に情報という意味でなら、もう世の中に価値のあるものはあふれている状況ですからね。