B☆らぼ

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ホワイトカラーのための業務改善3

ストレージを整理する

 会社のサーバー上のフォルダを開いて見ると、ゴミのようなファイルが滞留していることがあります。以前にも触れたように、管理ルールがほとんど制定されていない無法状態で、各自がファイルを作成すると、誰が何のために作ったどんな種類のものかがわからないファイルがあふれかえります。つまり、ゴミです。

 

 中身を見ればいいじゃないか、という人もいますが、他人の作ったExcelファイルを解読した経験がある人にはわかると思いますが、読むことさえ苦痛です。というわけで、作ったが良いものの、本人以外にはわけのわからないファイルが出来上がります(時折、本人も理解できない状態になることがあります)。

 

汚いストレージは不良在庫にあふれた倉庫

一度こうした状況が生じてしまうと、データの不良在庫とでも言うべき代物が職場を席巻します。働き手の入れ替わりが生じると、不良在庫はアンタッチャブルな存在になって、「消してしまいたいけれども、自分の知らないところで仕事に必要かもしれない」という疑念を呼び、消されることなく、利用されることもない立場に昇格することがあります。おめでとうございます

 

データメンテナンスは終わらない地味作業

このようにして、業務の引き継ぎに妙な手間がかかったり、職場の教育がうまくいかなかったりという原因の一つが出来上がります。これを防ぐためには、ガイドラインを制定する、という以前紹介した手法が予防策になりますが、定期的にサーバー内のデータをメンテナンスすること以外に、究極的な解消法はありません

 

 

まず、フォルダ構造ですが、色々な人が試行している結果を見て、私が実行しているのは、

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 仕事関連のフォルダを開いたときに、こう分類しておくことです。現在生きているファイルと、生きていないファイルを分離し、ひとまず、この生きていないファイルをアーカイブに突っ込んでおきます

 

 ここでの基準は、とりあえず、「今使っていないものはすべてアーカイブに入れる」というものです。この処理をするだけで、かなりざっくりとした優先順位付けが可能です。

 

 アーカイブに入っているものはいったん保留して、現時点で業務に使用中のファイルを見て、後々混乱しそうなものを命名から構成まで見直すことで、現在の業務に障害が発生しないようにできます。

 

アーカイブ=ゴミ箱のメンテナンス

 さて、アーカイブの中身ですが、これは、一つ一つ中身を見ながら、解読していくことになります。まず、そのファイルのオーナーが現時点のチームメンバーにいるならば、一人一人尋ねて、中身について事情徴収することができます。その結果、必要なければ、アーカイブの中にゴミ箱を作成し、そこにぶち込んでおきましょう。ゴミ箱から、本当に捨てる段階まで進めるのは最後で良いのです。「もしかしたら」という可能性を考えるならば、コストのかかる決定は後回しで構いません。

 

 問題は、作った人間が誰か分からないファイルですが、これは、何についての仕事なのかということを読み取り、必要なければゴミ箱行き、何かに使えそうであれば、命名や構成を改良して残すということになります。苦痛な上に、面倒くさい作業ですが、不良在庫あるいはゴミが滞留したままのフォルダは作業効率を下げますので、ちょっとずつでもよいので取り組むべきだと私は思います。

 

工場とストレージの類比

 工場であれば、ゴミや障害物があれば、取り除かれます。作業効率を下げるし、安全に良くないということが分かっているからです。また、不良在庫を抱えることは無駄であると理解されています。

 

 

 同じように、ホワイトカラーの仕事においても、存在価値の分からないファイルがあふれている状況はフォルダの衛生状況を下げていると言えますし、作業をしている人の探索コストを引きあげます。いわば、借金なのです。