B☆らぼ

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たまこラブストーリー観に行ってきた

とても良い映画でした。

テレビ版について 

 私は、たまこまーけっとが好きだったのですが、インターネット上ではクソアニメ扱いされていて歯がゆい思いをしていました。そりゃ、たまこまは、女の子が京都アニメーション特有のむちむちとした感じで可愛いという以外には、キャラクターの掘り下げが足らず、ファンタジーとして出来が悪く、とくにこれといったオチも盛り上がりもないまま終わりましたが、それでも好きな作品だったんだ―い。

 

 しかし、映画に関して言うと、テレビ版を見ているかいないかでほとんど関係がありません。テレビシリーズで1クールやったことをすべて忘れても、映画の中だけで十分キャラ立ちしているくらいの出来でした。奇を衒うことなく、丁寧に映像が創られているだけなのに、十分楽しめることが改めて分かりました。

 

洲崎綾→たまこ

 2hで主演の洲崎綾さんが、私の半分はたまこ、と言っておられましたが、映画のたまこのキャラ付けは洲崎さんからの逆輸入ということなんですね、わかります。と、適当なことを言ったところで(ほんとうは、体の半分には新しい役が入っててくるから、という意味です)、餅が好きという純粋な気持ちから女の子の尻を揉んだり、胸を見る、というなかなかクレイジーなことをしています。発想がほとんどデラと同じ、というあたりはなかなか興味深いところです。

 

 前半は、へたれなもち蔵がいい味を出しています。へたれ、と言っても、真正面から幼馴染に告白しているし、結果的に大金星で、画面の前のお前らは女の子に告白もできないんだから、もち蔵はすごく勇気があります。ハイ。テレビシリーズは何だったのかな。

 

 そして、たまこにとって、もち蔵はほとんどもちのすべてであるような過去が語られます(なんで、テレビでこれをやらんかったんや)。ガチレズみどりちゃん、もち蔵、たまこそれぞれがそれぞれを思いやる気持ちが交錯する中で、物語はクライマックスを迎えます。かんなちゃんはテレビシリーズからほとんどぶれていませんが、相変わらず可愛いです。

 

ちゃんと周囲の状況に埋め込まれた恋愛ドラマ

 恋愛ドラマで、もっとも単純な手法は、親やその他の大人の存在を「見えなく」してしまって、恋愛の主要人物だけを動かす方法です。でも、実際に恋愛をするときには、恋愛で他のことを何も考えることができないような時でも仕事をしなければならなかったり、勉強をしなければならなかったり、家族がいたり、親のお使いで買い物に行かなければダメだったりします。

 

 たまこともち蔵は幼馴染です。安易なドラマなら、幼馴染の二人以外の親を極力登場させないようにすればよいわけですが、たまこラブストーリーでは、二人の恋を親や兄弟や商店街の人々が見守っています。たまこは恋愛感情を意識した時に、商店街の人が見えなくなりますが、商店街で色々な夫婦が何気ない日常を過ごしていることで、我に返ります。

 

 こういった描写も丁寧で、とても好感が持てました。そして、たまこの母がなくなっていたという事実も、テレビシリーズでは何の伏線にもなっていませんでしたが、映画では重要な位置づけになっています。

 

 大笑いするような映画ではないですし、大泣きするような映画でもないと思います。しかし、見ていて、「こういう青春送りたかったなー」と30超えのおっさんが妄想する分にも、見事な作品だと思いました。