ごくシンプルな仕事のトレーニング
経営に関する論文、ビジネス書、仕事に関する色々な説教……そうしたもののごった煮を受け入れて考えた結果、いくつかの結論に達しました。一つ一つは当たり前の結論ですが、ちゃんと実施できている人はほとんどいません。
その1
人間はあまり賢くないので、シンプルなやり方を考えるべき
人間には複雑なことをやり遂げる力も備わっていますが、おそらくそれはシンプルな方法の組み合わせではないかと私は思っています。俺はでかいことをしてやるぜ、と口だけの人間が往々にして役立たずのクズなのは、でかいことをいきなり成し遂げることはものすごく難しいからです。
結局、西川きよしさんではありませんが、「小さなことからコツコツと」ということになります。漸進的に物事を進めることが大切です。そして、一つ一つのステップは、シンプルなものであるべきです。
その2
仕事のゴールを明らかにする
これも当たり前に見えますが、案外うまくできていないのです。だいたい、よくわからないことは、なにがよくわからないかよくわからない、という解決の糸口さえ見えない状況になっていることが多いのです。いや、別にきちんと調査したわけではないですが、自分が見聞きし体験した範囲では。
そういうわけで、「そもそもこの仕事、何のためにあるんだろう?」と振り返ることは必要です。別に能率的に作業ができているわけでもないのに、目の前の仕事に専念している、という人は不安を忙しさで糊塗しているだけ。そういう仕事の仕方は、自爆している分には良いのですが、往々にして誰かを不幸にしているので迷惑です。
その3
ゴールにたどり着くまでのプロセスを考える
目的をどうしたら達成できるかということを、イメージします。他の記事で、一連の仕事をプロセスに分解するというトピックを取り扱ったことがありますが、何となく流れでしている仕事を目的から逆算して割っていきます。割り方は、最初はどんなふうにやっても良いです。たまにこの分割方法に、優れた手法があるとか何とかごちゃごちゃ言っている人がいますが、そういう情報はある程度力が付いてから調べればよいので、まずはやることです。
仕事があまりできないタイプの人には、とにかくでかいことをやろうとする人もいますが、もうひとつ、準備ばかりに時間をかけているタイプの人がいます。中高生時代を思い返してほしいのですが、授業を一生懸命に聴いて、ノートを複数色のペンでゴテゴテ作り込んで、成績の方はさっぱりというタイプの人はいませんでしたか。準備にかまけて、実際に取り組まないタイプの人は、だいたいこのタイプの人です。ノートを取る、というのはあくまでも中身を覚えるためのものであって、綺麗に取ろうが、汚く取ろうが、どうでもいいことです。
その4
プロセスを、シンプルなやり方にまで分割してみる
ここでのポイントはとにかく割ってみることです。別に綺麗に割れているか、とか、使えるか、とかそんなことは実際にその分析を実践に応用した時に、わかることなので、どうでもいいです。完璧な計画書を100ページ書けたとしても、実際に1ページも使われなかったらただの無駄です。
分割してみて、その分析を使って、仕事のやり方を改善しようとしたとします。そのとき、うまくいかなければ、遡って、修正すればよいだけです。はい、それだけ。
その5
分割したシンプルな構成部分のうち、どこに自分の弱点、うまくいっていないところがあるかを見極める
その6
うまくいっていない部分については理由を考える
はい、こうなります。ただ、最初から5,6まで意識する必要はありません。物事の原因を調べるのはとても難しいことです。調べやすくなるまで、お膳立てが整ってから、物事を考えても別に遅くはありません。