従業員満足度アンケートについて考えてみる⑨
さて、実際にカネ関係の質問を考えてみましょう。
報酬についての質問
まず、報酬の大枠について、
「給与水準に満足していますか?」
という質問を考えてみましょう。水準として、満足なものか、不満足なものか、ということは割と重要な質問だと思います。次に、こんな質問はどうでしょうか。
「仮に、今、転職するとして、現在よりも高い給与が望めると思いますか?」
つまり、今努めていることの機会費用をどれくらいに見積もっているか、ということです。「同業他社と比べて……」というような質問がありますが、無駄です。別に同業他社と比べるなら、アンケートをしなくてもベンチマークをすればいいだけで、従業員にとっては、同業であろうが異業種であろうが雇用機会として同じであるため、関係ないわけです。
成果と報酬
次に、成果と報酬についてです。
「自分は、働きに見合った報酬を得ていると思いますか?」
満足である・妥当・少ない、の三つくらいから選べばよいでしょうか。給与水準はさておき、自分はこんなにも働いているのに全然もらえていない、だとか、自分の働きを考えるとまあこんなものだろうか、だとか、自分の働きからすればもらいすぎなくらいか、まあ色々な意見があるかと思います。
さらに、
「仕事ぶりがきっちりと評価されていると思いますか」
「評価は、報酬に十分反映されていると思いますか」
「成果と報酬は今よりも連動するべきだと思いますか」
といった内容を付け加えると、より多くのことを知ることができそうです。また、労働経済学のような文脈では、賃金と余暇の話が話題になります。というわけで、お金と密接に絡んだ質問として、
「休みは取れていますか?」
「睡眠は十分に取れていますか?」
「生活が充実していると感じますか?」
というような質問で情報をとることも重要です。