従業員満足度アンケートについて考えてみる⑪
さて、ここまででおよそ仕事の外側からくるモチベーションについては、大雑把に把握することに成功したように思われます。
内発的動機づけ
ここからは、仕事そのもののモチベーションについて考えてみましょう。まず、考えるまでもなく、
「仕事にやりがいがありますか」
という質問をすることができます。漠然とした質問です。これを細分化していく質問を考えてみましょう。
ぼんやりとしたテーマを明確に訊く
面白い仕事とはどのようなものでしょうか。ごくごく簡単で、当たり前の回答として、次のようなものが考えられます。
「自分の仕事が社会の役に立っている、と思いますか?」
「自分の仕事が誰かの役に立っている、と思いますか?」
誰かの役に立っている、という思いは仕事に意味を与えるでしょう。もうひとつの質問としては、
「いま取り組んでいる仕事に対して、適性があると思いますか?」
「今の仕事が好きですか?」
という質問があります。誰かの役に立っている、社会の役に立っているだとかいう点はともかくとして、人それぞれに天職だと思うポイントは異なります。自分に合った仕事ができるということは、相応の価値があります。
人には成長したい、改善したいという欲望があると言われます。ただ、「仕事をすることで成長できていると思いますか?」という質問はあまりにも漠然としていますし、他に聴き方があるように思います。たとえば、
「仕事をすることで、新しい発見がありますか?」
「仕事に取り組む中で、上達しているという実感がありますか?」
という質問です。これは、教育ということにも密接に絡んでくる話なので、
「今の仕事のやり方は十分に効率的ですか?」
「上司から学ぶことはありますか?」
「同僚から学ぶことはありますか?」
「仕事に対する指導は十分だと思いますか?」
「仕事に関して、誰かに教えたことはありますか?」
「仕事を教えることは楽しいですか?」
というような質問で情報を豊かにできそうです。たまに、自分の仕事がいったい何かよくわからなくなっているということや、組織の問題(上司が無能など)で課業が有効に機能していないという可能性も考えられるので、
「自分のするべき役割を理解していますか」
と聞いておくのも良いかもしれません。コミュニケーションがうまくできていますか、というようなぼやっとした質問よりも有効な情報が得られそうです。