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知っている、から、理解できた、へ。理解できた、から、できる、へ。ビジネス知識からパフォーマンスへの橋渡し

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『思考停止ワード44』(博報堂ブランドデザイン著、アスキー 新書)その8

 別に博報堂ブランドデザインに粘着したからといって、誰かからお小遣いが貰えるというわけでもなく、自分自身が前に行けるわけでもないのですが、話の枕として使いやすいという利点があります。

 

 あ、というわけで、読んでもほとんど役に立たないかもしれませんが、小ネタ集(ネタそのものが使えるとは言っていない)ないし目録として利用するのは良いかもしれませんね。定価743円分くらいは回収できるのではないでしょうか。

 

 さて、今回取り扱うのは「マーケティング」の項目です。この記事も、例によって、マーケティングは営業のことではない、というそれはそれで重要な問題意識から、最後はマーケティングのことをみんなで考えようね、というような出がらしの紅茶のような薄い文章で終わる模範的作文となっております。

 

 はい、もちろん、マーケティングと営業は違う、という話は良いのです。で、マーケティングが、営業がうまく売るための技術ではなく、仕組づくりです、というのもよいのです。

 

 だとしたら、まず、営業って何だろう? セリング、って何だろう? という話があってしかるべきでしょう。ここでは詳しくは書かないのですが、仕組みのマーケティングと言われているような話は、

「セールスの前段階」→セールス

のセールスの前段階を指しています。で、セールススタッフの役割として期待されているのはクロージングであり、日本でよく考えられているような営業マンの仕事は、セールスの仕事に加えて、前段階でさばいておくべき仕事内容をごちゃまぜにして含んでいるという特徴を持っています。

 

 だから、まず、マーケティングで思考停止云々というのなら、日本国内のマーケターだの営業マンだのがしている仕事がごちゃごちゃで、もっと細分化できるし、効率化できるし、高度にもできる、と書くべきだろうと思います。その結果が、仕組みがどうしたこうしたという議論なわけでしょう?

 

 何となく使っていることばから、一段踏み込んで物事を考えるというコンセプトは良いのですが、まともな知的能力や分析は相変わらず存在せず、この会社何なんだろう? と不安に思う記事でございました。博報堂ブランドデザイン、というのは、普通の人が立ち止まるところから一歩踏み込むけれども、収拾がつかなくなって、ぼやっとごまかしてデザインする会社なのでしょうか。