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ホワイトカラーのための業務改善2

他人の書いたエクセルファイルを読むのは苦痛

 コンサルタント時代、私は、他人の作ったエクセルファイルを見るのがあまり好きではありませんでした。エクセルシートは、とどのつまりは、計算式のつながりですが、式の作り方やシートの利用の仕方には、属人的な特徴があり―――要するに、好き勝手に作っているため、自分の思考にとって自然ではないのです。

 

 これは、私だけのことではなく、他の人にとっても同じです。私の作ったエクセルのファイルを読みにくいと思っていた人はいたはずです。

 

 

 標準化とコストとベネフィット

 

 究極的には、すべてのエクセルファイルの書き方を統一することは従業員教育という点でコストがかかりすぎます。また、その方式よりも優れたものが出てくる可能性を考えると、あまりにもガチガチに作り込みすぎると柔軟な対応ができなくなるかもしれません。

 

緩やかなガイドライン管理

 ただ、ガイドラインを作ることで回避できる問題はあるはずです。たとえば、セルに格納していいデータと格納するべきではないデータを大別するのは重要です。一度、文章を書くのに、方眼紙のようなファイルを作って、書き込んでいた人がいましたが、正気の沙汰とは思えませんでした。再利用ができませんので。一度入力したデータを、いかにしてうまく再利用するかは仕事を進める上で重要なことです。同じ作業を無意味に二度繰り返すような仕事は、あってはなりません。

 

 他に、比較的低コストながら確実に力を発揮できる工夫があります。それは、ファイルの命名規則です。皆がめいめい勝手にファイルに名前を付けていると、社内に何の目的でつくられたかわからない、どれが最新か分からない、誰がオーナーかわからないエクセルファイルがあふれかえることになります。

 

 仕事のすべてをガチガチに管理しようとすると、柔軟性がなくなりますし、何より働いていて楽しくなくなります。ただ、それは、管理が不要であるということを決して意味しません。

  

 理解しようがないファイルや加工しようのないファイルを手渡される、仕事の度に、どれが最新のものか分からないファイルを発掘作業しなければならない、という状況は仕事の柔軟性も創造性も無関係な、単なる手間です。こうした手間に時間をかければかけるほど、働いている人たちは疲労し、管理上の人件費がかさみます。あなたの職場に業務改善の余地は……ありませんかね?