ごくごくシンプルな仕事トレーニング3
ケーススタディ1
【お題】
学生時代ずっと国語が苦手だったのに、報告書を書くことになった。○○市場動向に関するレポートらしい。どうする? どうする?
【作戦】
仕事をしていると、こういうことがあるかもしれません。では、まず、報告書を書くために何が必要か、というところから始めてみましょう。
報告書を書くためのプロセスは、①「基礎となるデータの収集」から始まります。ちゃんと訓練を受けていないと、何から手を付けてよいか分からなくなりますが、重要なポイントは、元ネタ=データがあることです。
ここで、一番簡単な方法は、○○業界の業界団体のホームページを見て、統計データがないか探すことです。電話をかけて、聞いてみるのも手です。
シンプルな原則1
業界のことは業界団体に訊け
データを収集する時に、万能の方法はありません。ましてや、今まで知らなかったことを調べるときには、うまい方法を考える材料さえありません。そこで、まず、なにかしら足がかりを作ることを考えます。
この原則はもちろん万能ではありません。しかし、調査なんてほとんどやったことがない人にとっては、少なくとも一日~数日分のロスを短縮する効能があります。一つ情報が集まれば、そこを突破口にして飛躍的に情報を集めやすくなる場合があるので、行動が大事なのです。
シンプルな原則2
過去の資料を見よ
データの収集と並行して、過去にどんな報告書が書かれていたかということを調べましょう。基本的には、会社の仕事は過去の仕事の真似の連続から成ります。過去に調査報告書が書かれた例を探し出して、どういう構成になっているかということを確認しましょう。で、その報告書から、データを突っ込むためのテンプレートを作ります。
これは難しい話ではなくて、文章はどれくらいの文量か、ファイル形式は何か、グラフや数表はどんな割合か、ということを参考にして、だいたいの完成図を描いてしまいます。
シンプルな原則3
だいたいの完成図をつくる
さて、ここで、一気呵成に作り上げてしまっても良いのですが、仕事で重要なのは、発注者の意図をとらえることです。どれだけ一所懸命に仕事をしても、指示する人の意図にそぐわないものを作ってしまうのは無駄です。
しかし、指示する人は、必ずしも優秀な人ではないし、仮に優秀な人であったとしても完成形までイメージしていない場合があります。ではどうするか? 聞いてください。
シンプルな原則4
だいたいの完成図ができた時点で、上司(発注者)にお伺いを立てておく
こんな感じで作ろうと思います、というテンプレートを見せましょう。中身についても話ができるようにしておきましょう。だいたいでよいです。この時に、細かい情報を引きだせない可能性がありますが、大きなデザインから異なる可能性は避けられます。
シンプルな原則5
テンプレートをいくつかのパーツに分割し、パーツごとに作る
この分割の仕方は難しく考えなくても良いです。4つなら4つ。5つなら5つ。適当にパーツを分けましょう。そして、そのパーツが仕上がるたびに、上司(発注者)にレビューしてもらいましょう。
シンプルな原則6
パーツが完成するたびに上司(発注者)にお伺いを立てる
上司がアホな時は無視しよう
実質的に、上司がアホで何も考えていない場合ももちろんあります。それでも、相談しながら仕事を進めていると、「なんで俺に話を聞きに来なかった」などと罵倒される可能性は少なくなります。途中で相談に行っているのに、いきなり吠えだすタイプの上司は狂犬なので、残念、諦めましょう。狂っているタイプの人と生産的な話をすることはできません。時間の無駄です。
こうして、調査報告書を完成させます。これで、とりあえず目の前の仕事としてはOKです。やったね。
ただし、これでは社内の水準が低いレベルだと、自分もそこでとどまってしまいます。もっと良い調査報告書を完成させるためにはどうしたら良いのでしょうか。
次の記事は、会社の仕事をばねに、何かいい仕事をするためにはどうすればよいかを考えていきます。