企業のメッセージを味わう(1) ワタミを味わう
ワタミの企業メッセージはすごく良くできている
はい、グルメリポートです。
第一回目はワタミ。といっても、私はお酒が飲めない上に、ワタミの店舗に行ったことがないため、ワタミの料理を味わうわけではありません。webの一番上、会社のロゴの横には「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになりたい。」とあります。
具体的で簡潔な日本語!!
お世辞抜きで、いいメッセージだと思います。たかだか、日本の業界トップにもなれず、優れたサービスを持つわけでもない企業が「グローバルなエクセレントカンパニーになる」などと書いていたりするのに比べると。
まずわかりやすいことばです。「感謝の言葉」ではなく、「ありがとう」と書かれている点にも注目です。脳内で様々な変換過程を経るまでもなく、直観的に分かりやすく、なじみやすいことばで書かれているということがすぐにわかります。
邪推すると、「ありがとう」だから日本人相手でいいのか、とか考えたくなりますが、そんな意味もないでしょう(それなら、ワタミの末端の従業員を全部外国人労働者に置き換えれば、今よりも企業のメッセージを体現する会社になれそうです)。
ワタミの素晴らしいメッセージは天国へと続いている
はい。このメッセージは素晴らしい、という結論に達しました。だからこそ、創業社長の過剰な振る舞いと、外食産業という過酷な労働環境を思い浮かべて、この分かりやすいメッセージを反芻すると、「ありがとう」って何だろう? と深遠な気持ちになります。へとへとになるまで働いて、疲れて、くまができた顔で、彼岸から先人達が「よくやった、おまえには限界はない。こっちに来い」と手を振っているような光景でしょうか。
ありがとう。
ありがとう。
この世にありがとう。
全米ヒットナンバーワンは記録しませんが、ここでは一位を取れたみたいです。やったね。メッセージとしてはわかりやすく、具体的な光景が思い浮かぶ上に、実態と比較しやすいという意味で、優れたメッセージだと思います。皮肉抜きでね。