B☆らぼ

知っている、から、理解できた、へ。理解できた、から、できる、へ。ビジネス知識からパフォーマンスへの橋渡し

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コンサルティング会社に対する根拠のない憧れ

 コンサルタントと言うと、カッコいいと思ってショートカットキーを駆使して、エクセルのシートを使ってうにゃうにゃと数字を計算したり、定性的なデータをかき集め、見栄えの良いプレゼンテーション資料を作って、ハイ、数千万円―――というイメージがあるかもしれませんが、そんな古典的なスタイルを貫けている企業はどれくらいあるのでしょうか。

 

 

 エクセル・パワーポイント職人はしょうもない

 

 そもそも、エクセルやパワーポイントを使う能力自体は、別にスキルとして高くありません。分析と言っても、ビジネスにおける分析の骨子はもう20年以上変わっていないのではないかと思います。カタカナ言葉は業界から足を抜けてしまうと、軽薄で気持ち悪いです

 

 駅前MBAが1,000円以下で買えてしまう時代に、そんな軽薄な人たちに仕事はあるんでしょうか。

 

 今では、古典的なコンサルタント像は通用しなくなっていると思います。まず、コンサルタントができる分析は、クライアントでもできます。情報や技術の差は急速に埋まりつつあります。種本はみんなが読むようになっているので、ドヤ顔でマイケル・ポーターが……と言っても説得力を発揮しなくなっています。だから何? と言われておしまいですね。まあ、ポーターのオリジナル書籍なんて、マニアくらいしか読まないでしょうけど。

 

 パワーポイントにおいては、事業会社の資料も大変見栄えが良いものになってきています。コンサルティング会社が人材を輩出し、テクニックを披露したおかげですね。

 

コンサルタント、要らなくなる?

 形式的な側面では、コンサルタントと呼ばれる人たちの食いぶちはどんどん減ってきており、手掛けている仕事も別段一般の事業会社で働くホワイトカラーと変わらなくなってきているのではないかと私は考えています。給料は、業界的に悪くないですが、仕事にとられる時間は長いわけです。また、手掛けている仕事はジリ貧の感があるので本当に価値があるのかと悩むようになってしまうと死んだ魚のような眼をして働くことになりかねません。

 

 偉くなったコンサルタントは、自分の成功体験を元に、「バリューを出せ」と言ってくるかもしれませんが、何かが決定的にずれている感触を抱えたまま仕事をする状況を後押ししかねません。おまえらがあがめられていた時代と今とでは違うんだよ。

 

 指導者、としてのコンサルタントはすでに終わっている業界なのでしょう。バブルの金で社費留学して、コンサルティング業界で成り上がった人たちの生きた時間と今リサーチをちまちましている人が生きている時間は同質ではありません。ステータス的にも、金銭的にも。今、コンサルティングをしている人たちがどんな仕事をしているのか、私は知りませんし、興味もありませんが、きっとバリューを出し続けているのでしょう。

 

では、コンサルタントというキャリアはしょうもなかったか?

 私個人のことを書いておくと、新卒でコンサルティングという仕事に就いたことに後悔はありません。一般の事業会社に行っても、どうせ嫌になったことだと思います。コンサルティング会社にいた時期に児戯に等しいスキルを習得しましたが、そのおかげで、現在色々なことに「趣味で」関われることになっています。

 

 現在の学生にとって、コンサルティング業界が魅力的かどうかは定かではありませんし、あまり興味もありませんが、ファーストキャリアとして選択するのも別に悪くないと思います。ただ、コンサルティング業界に入ったからと言って何か特別な存在になれるわけではなく、高い専門性が身につくわけでもなく、ビジネスの最新理論に触れられるわけではありません。そもそも、若い時の私のように、いい職場に入れば自分の格が上がる、とか考えている人間は乞食に等しいわけであって、専門性を磨くなり、最新の知識を身に付けたいなら、ちゃんと自力で努力しろ、ということですよ。それができないなら、意識高い系()乞食でしかないわけで。

  

私は、コンサルティング業界を経験して、様々なことを見聞きし、体験させていただいたおかげで、30過ぎにしてある種「なんかどうでもいい」という境地に達しました。ほんとうにありがとうございました、という感謝の気持ちでいっぱいです。どうでもいいくらいに。