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知っている、から、理解できた、へ。理解できた、から、できる、へ。ビジネス知識からパフォーマンスへの橋渡し

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従業員満足度アンケートについて考えてみる③

 さて、今回は、アンケートと理論背景です。

 

 

 調査と理論

 

 ESで調べたいことに限らず、組織の問題や課題を構造化して、解決策を考えるときに、一般的な理論や他人の「理論」を利用することができます。

 

 このとき、自社が理論の適用範囲に収まっているかどうかがポイントになります。別に調べなくても何か言えるかもしれない。しかし、調べて、自社が理論の前提するような性質を持っていなかったら、理論を修正する必要があります。もしくは、代替の理論を必要とします。

 

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 人間のモチベーションや組織の問題について、理論には本当にたくさんのバリエーションがあります。そういった競合状況で、何が自社にとって有効かということを知っておくのは有益でしょう。

 

 現状調査には、そうした意味があります。単に調べるというよりは、世の中には、組織の問題に対する処方箋が多すぎるので、それを絞るためにあります

 

 たとえば、自社の従業員に対して「アメとムチ」の施策は有効か。内発的な動機付けが重要、といっても、お金をたくさんもらえれば喜んで仕事をするかもしれません。ただ、「たくさん」のお金というのはどのくらいの水準かということが次に問題になります。仕事が面白くない、と考える人が多かったら、仕事を面白くすればよいでしょうか。しかし、次に問題になるのは仕事は面白くできるものなのでしょうか。

 

 アンケートを用いたからといって、単独で細々とした問題に応えるのは無理でしょう。だからこそ、既存理論から得られるものについては、調査の前段階で相当程度に練り込んでおく必要があると思われます。